パナソニックのFP7 CPUについての第3話です。今回はFP7本体にあるEthernet PortからEthernet/IP Scannerを立ち上げ、Turck IOLink Masterと接続します。また、Nass Magnet・Molex・OMRON・ContrinexのIOLinkデバイスを使用します。
さ、はじめよう。
Reference Link
FP7 Ethernet/IP Scanner
FP7本体には動作状態を表示する MS LED とネットワークの通信状態を表示するNS があります。
こちらはFP7のEthernet/IP 状態を取得できるデバイス番号です。
EtherNet/IP?
EtherNet/IP(Ethernet Industrial Protocol)は、標準Ethernet上のアプリケーション層でCIP(Common Industrial Protocol)制御用の通信プロトコルを実行するための産業用マルチベンダーリアルタイムEthernetシステムです。
CIPについては、ODVAのドキュメントを参照してください。
FP7 EtherNet/IP機能を使用する場合は、以下のバージョンが必要です。
- FP7 CPU unit: Ver.4.00 or later
- FPWIN GR7(S): Ver.2.8 or later
サイクリック通信とは、スキャナ機器からアダプター機器に接続し、接続完了後、所定の周期で相互にデータを送信する機能である。接続完了後、指定された周期で相互にデータを送信する機能であり、ScannerはPLCなどのコントローラを示しています。
そのアダプター・デバイスは、ロボット・コントローラ、エンコーダ、IO デバイスなどのデバイスであり、スキャン・リストは、スキャナ・デバイスと複数のアダプター・デバイス間の接続を定義するリストです。
周期的通信のコネクションをオープンする側をオリジネータ、オープンされる側をターゲットと呼びます。
Implemetation
Turck Side
Turck側の設定や説明など、詳しく先ほどのReference 記事を参考にしてください。ここでは大事なPointだけを説明します。
Rotary Switch
Turck本体にあるRotaryスイッチでデバイスのIPアドレスを設定してください。
Port Configuration
各Portは接続されているデバイスに合わせて設定していきましょう。
Panasonic Side
Panasonic FP7のプロジェクトを構築します。
Ethernet/IP settings
Options>FP7 Configuration>EtherNet/IP Settingsを開きます。
こちらはFP7のEthernet/Ip設定画面になります。
Register EDS File
EDSファイルには、adapter devicesをスキャン・リストに登録するための通信情報が含まれていて、EDS ファイルは、各ベンダから製品ごとに提供されています。
また、各アダプター機器の EDS ファイルは、設定ツールでスキャンリストを作成するために登録する必要があります。
EDS File>RegisterでTurckのEDS Fileを登録します。
Turck HPからDownloadしたEDS fileを選びましょう。
Done!TBEN-L4-8IOL モジュールがインストールされました。
Configure EIP Adapter
次はTurck EIP Adapterの設定を行います。
今回の記事では1つのConnectionしかなく、そしてConnectionはExclusive Ownerに設定します。該当するConnectionをクリックしましょう。
こちらはConnectionの詳細設定画面になります。
RPI
RPIはサイクリック通信の送信間隔を設定する項目で、注意するのは使用可能なRPI範囲は機器によって異なる。また、FP7では0.5ミリ秒から10秒まで設定できます。
Timeout Period
こちらはConnectionのTimeout設定になります。
Input Devices
こちらはTurck(Target)から FP7(originator)への送信設定になります。なので、FP7側からみると入力データになります。
Output Devices
こちらはFP7からTurckへの送信設定になります。なので、FP7側からみると出力データになります。
Refresh Method
FP7ではデータ更新の流れは以下の通りになります。
- アダプターへの送信データを、割り当てられたオペレーションメモリから送信バッファに転送します。
- アダプターから送信されたデータを、受信バッファから割り当てられたオペレーションメモリに転送します。
そしてFP7では3種類のデータ更新手法があります。
- Batch(一括更新)
- Divide(一括更新しきれないメモリがある場合、分割し更新)
- Instruction(プログラムの関数でデータを更新する、その手法を使用する場合、定周期で関数を実行してください。)
今回使用するのはBatch更新です。
IP Address
最後はDevice SettingのTabでAdapterのIPアドレスを設定し、OKで設定を保存しましょう。
Build-in ET-LAN Setting
次はFP7本体にあるEthernet Portについて設定するため、Built-in ET-LANをクリックします。
Basic Communicationの項目でHome IP address(IPv4)にCPUのIPアドレスを設定してください。
Add New Program Block
Turck IO-LINK Blockのデータ処理プログラムを追加するため、Program Block>Newで新規プログラムを作成します。
Program block名を入力し、OKで進みます。
Network1-2
ネットワーク1と2はTurck IO-LINKモジュールの状態を取得します。
Network3-4
ネットワーク3と4はTurck IO-LINKモジュールのPort1-4状態を取得します。
Network5
ネットワーク5はTurck IO-LINKモジュールのPort5-8状態を取得します。
Network6
ネットワーク6はTurck IO-LINKモジュールの入力DXP状態を取得します。
Network7-8
ネットワーク7-8はTurck IO-LINKモジュールPort1と接続したNass magnet Smart Connector状態を取得します。
こちらはNass magnet Smart Connectorの入力データMappingです。
Network9
ネットワーク9はTurck IO-LINKモジュールPort1と接続したNass magnet Smart ConnectorのON/OFF コマンドとPWM値を出力します。
こちらはNass magnet Smart Connectorの出力データMappingです。
Network10-11
ネットワーク10-11はTurck IO-LINKモジュールPort3と接続した、MolexのIO-LINK Hub入 Port X8からX15までの入力状態を取得します。
Network12
ネットワーク10-11はTurck IO-LINKモジュールPort3と接続したMolexのIO-LINK Hub入力状態を取得します。
Network13-14
ネットワーク13-14はTurck IO-LINKモジュールPort5と接続したContrinex社のIDWx-MxxMM-NMS-A0のScale ValueとMeasurement valueを取得します。
こちらはContrinex社のIDWx-MxxMM-NMS-A0のByte1-3 Mappingです。
Network15
ネットワーク15はTurck IO-LINKモジュールPort5と接続したContrinex社のIDWx-MxxMM-NMS-A0のSensor状態を取得します。
こちらはContrinex社のIDWx-MxxMM-NMS-A0のByte0 Mappingです。
Network17
ネットワーク17はTurck IO-LINKモジュールPort7と接続したオムロン社の E3AS-HL500MN
のSensor状態・距離値・光強度を取得します。
こちらはオムロン社の E3AS-HL500MNのMappingです。
Network18-19
ネットワーク18-19は現在Ethernet/Ipの接続状態を取得します。
Download
最後はプロジェクトをCPUにDownloadしましょう。
Result
Done!現在FP7とTurck IOLink Master間のEthernet/IP通信が確立できました。
こちらの動画からOmron IOLink Sensorと連携する動作を確認できます。
こちらの動画からContrinex IOLINK Sensorと連携する動作を確認できます。
こちらの動画からMolex IO-Link Hubと連携する動作を確認できます。
こちらの動画からNass Magnet Smart Connectorと連携する動作を確認できます。
こちらのLinkでプロジェクトをDownloadしてください。
https://github.com/soup01Threes/Panasonic/blob/main/p_EIP.fpx