今回の記事ではOMRON社のNX102-9000とEXOR社のex715MにインストールされているCodesys RuntimeとEthernet/IP通信を設定します。Codesys側はEthernet/IP Adapterになり、OMRON側の設定はNetwork Configuratorから行います。
さ、FAを楽しもう。

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グローバルに事業を展開するイタリアのEXOR Internationalは、半世紀近くにわたりHMI、制御、産業用IoTのソリューションを設計、開発、製造してきた。 EXORは、インダストリー4.0のコンセプトに完全に対応した高度な技術を表現する使いやすいツールをお客様に提供しています。
1971年にヴェローナで創業し、現在ではイタリア、ドイツ、アメリカ、インドに150人の従業員を擁しています。
ex715M?
eX715Mタッチスクリーンパネルは、HMI、ゲートウェイ、PLCとして使用できる多機能性により、システム統合のための完全なソリューションです。製品の基本コンセプトは、IIoTの適切かつ容易な実装を可能にし、インダストリー4.0の要件に準拠することです。パワフルな64ビットのクアッドコアCPUを搭載し、JMobileアプリケーションを最適な環境で動作させ、最高のパフォーマンスを実現します。
eX700Mは64ビットの強力なクアッドコアCPUを搭載しており、JMobileアプリケーションを最適な環境で実行し、最高のパフォーマンスを発揮します。
eX700Mのパワーは、OPC UA Client/ServerやMQTTなどの優れた通信機能に加え、JMobile 4.5の新しいグラフィック機能やセキュリティ機能を活用するための最良の方法です。
また、X700Mは、工場、船舶、ビルディングオートメーションなど、パワフルで高性能なHMIが必要とされるIIoTエッジアプリケーションの中でも、できるだけ人間のオペレーターに近い場所に設置することが要求されるアプリケーションに最適です。
- マルチタッチ・ディスプレイと堅牢なガラス・フロント
- 過酷な作業環境、海事、工業用の幅広い認証
- CODESYS PLCランタイムソフトウェアのインストールに対応し、I/O用ネットワークスタックをフル選択可能
- 15.6インチTFT投影型静電容量式タッチスクリーン
- マルチタッチ操作
- 64ビット・クアッドコアCPU
- 動作温度 -20°C~+60°C
- システムとプロジェクトの高速起動
- イーサネットI/Oスタック付きCODESYS V3
- 傷、紫外線、化学薬品に強い
- 最大3つのEthernetによるネットワーク分離が可能
- 異なるIPアドレスを持つネットワーク
- システム拡張用プラグインモジュール
Implementation
Codesys Side
最初にEXOR側のEX715MにインストールされているCodesys Runtimeを構築します。
Add Ethernet Driver
Codesysを開き、新規プロジェクトを作成しましょう。次はDeviceを右クリック>Add Deviceします。
Ethernet Adapter>Ethernetを選び、Add DeviceでEtherent Adapterを追加します。
Done!
Add Ethernet/IP Adapter
次はEthernet/IP Adapterを追加するため、Ethernetを右クリック>Add Deviceします。
Ethernet/IP>Ethernet/IP Local Adapter>Ethernet/IP Adapterを選び、Add Deviceします。
Done!Ethenret/IP Adapterが追加されました。
Add Ethernet/IP Module
最後はEthernet/IP AdapterにAssembly スロットを追加しましょう。Ethernet/IP Adapterを右クリック>Add Deviceします。
Ethernet/Ip>Ethernet/Ip Moduleを選び、Add Devicesで追加します。
Done!
Configure IP Address
Ethernet Adapterをクリックし、General Tabを開きます。Network InterfaceにあるBrowseボタンをクリックしEthernet/Ip Adapterとして使用するAdapterを設定してください。
Configure Assembly
Ethernet/Ip Moduleをクリックし、Assemblies Tabを開いてください。Cosuming AssemblyとProducting Assemblyを追加してください。Assemblyのデータを追加するには+Addボタンをクリックします。
こちらはAdd Assembly Parameters画面になります。そしてData Type・Countをアプリケーションに合わせて設定しましょう。今回の例では120個のダブルワークを追加します。
Export EDS File
次はEthenret/IP Adapter項目をもう一度開き、General TabからExport EDS FileをクリックしEDS FileをExportしましょう。そのEDS FileはのちほどSysmac Studioに使用します。
Mapping
次はGlobal Variable Listを追加し、下図のような変数を追加します。
先程のGlobal Variable Listに%IW800と%IW800から120ワードの先頭アドレスを定義しましたので、Ethernet/IP Module I/O MappingにAddressにも同じように固定しましょう。
次は出力にも同じように設定しましょう。
Download
最後はOnline>LoginでプロジェクトをEXORのEX715MにDownloadしましょう。
OMRON Side
次はオムロンNX102-9000側を構築します。
Sysmac Studio Side
Configure IP Address
Controller Setup>Build-in Ethernet/IP Port Settingsを開き、
Define Global Variables
Programming>Data>Global Variablesで変数を定義します。
今回の記事では120ワードの入出力データを定義します。
Ethernet/IP Connection Settings
次はEthernet/IP接続を定義するために、Tools>Ethernet/IP Connection Settingsを開きます。
今回記事で使用するのはPort2なので、Port2を右クリック>Editします。
こちらはSysmac StudioのEthernet/IP接続設定画面になります。プロジェクト内に定義したGlobal VariableをEthernet/IPに使用するにはRegister Allで変数を登録しましょう。
アプリケーションに合わせて必要な変数を登録しましょう。
Project Download
プロジェクトをCPUにDownloadするためにController>Transfer>ToControllerをクリックしてください。
Ethernet/IP Configuration Download
もちろん、Ethernet/IP の ConfigurationもDownloadしてください。
Network Configurator
次はCodesys Runtimeと接続を行うために、Network configuurationを管理者として実行してください。
Select Interface
Network ConfiguratorとNX1を接続するためのPC Ethernet Interfaceを設定するために、Options>Select Interface>Ethernet I/Fを選択します。
Connect
ツールの白い部分を右クリック>ConnectでNetwork ConfiguratorとNX1を接続します。
NX1と接続するPC Ethernet Interfaceを選び、Okで進みます。
Done!それでPCとNX1を接続できました。
次はTCP:2>NX1のIPアドレス>BackPlane>0:NX102-9000>TCP‐2で接続するInterfaceを選びましょう。
Done!次は接続Ethenret/IP Networkを新規追加か、もしくは既存ネットワークに追加するかを選択できます。
今回の記事では新規ネットワークを使用します。
Done!
Install EDS File
Codesys RuntimeからEXPORTしたEDS FILEをNetwork Configuratorにインストールするために、EDS File>Installをクリックします。そして適切なEDS Fileを選びましょう。
Ethenret/IP AdapterのICON FILEをインストールするかしないかはお任せします。
Done!
先ほどインストールされたEDS FILEを確認したい場合は、右クリックしPropertyをクリックしてください。
EDS FILEがインストールされた時間やVersionなどの詳細情報を確認できます。
Add NX102-9000
今度はNetwork Configuratorに記事で使用するNX102-9000を追加します。
カタログの一番下にScrollするとNX102-900が出てきます。
CPUをEthernet/IPネットワークにDropしましょう。
Done!NX102-9000が追加されました。
Change Node Address
NX1-9000のIPアドレスを変更したい場合は、右クリック>Change Node Addressをクリックします。
アプリケーションに合わせてIPアドレスを変更しましょう。
Done!
Upload Settings
Network>Uploadで現在CPUに保存されているEthernet/IP接続設定を吸い上げれます。
Synchronize identity
また、NX1-9000に新しいTAGなどを追加した場合は、右クリック>Synchoronize identifyで設定の同期が可能です。
Add Codesys EIP Adapter
次はCodesys Ethernet/IP Adapterを追加しましょう。
Done!
Change Node Address
NodeのIPアドレスをアプリケーションに合わせて設定します。
Done!
Configure EIP Connection
次はNX102-9000とCodesys間のEthernet/IP接続を設定するために、NX1-9000をクリックします。
こちらはConnectonの設定画面になります。
先程追加したCodesys EIP Adpaterをクリックし、下の矢印をクリックします。
Done!これでCodesysとNX1-9000の接続が追加されました。次はその接続をダブルクリックします。
こちらは通信設定画面になります。
Connection Type
次はConnection I/O TypeのところにEthernet/IPの接続タイプを設定しましょう。今回の記事ではExcluseive Ownerにします。
Input Tag Set‐Connection Type
Input TagのConnection TypeにSysmac Studio内にはどんなTAGを入力データとして使用するかを設定します。
今回はarrUpperSystemInputsというTagを使用します。
Output Tag Set-Connection Type
次はOutput側です。先程と同じ操作で設定しましょう。
Result
これで設定完了しました。
最後はRegistボタンクリックし接続設定を登録します。
Done!
Edit All
また、Network Configuratorに複数の接続を一括編集したい場合は、Edit Allをクリックしてください。
こちらは現在設定されているすべての接続を一覧できます。
In/Outの欄にある+ボタンで該当する接続の詳細を確認できます。
下図のようにIn/outの接続設定を確認できます。
そのほか、接続タイプなどの設定にも変更可能です。
最後はOkボタンをクリックし設定を適用します。
Download
Network>DownloadでConfigurationをNX1-9000にDownloadします。
Yesで進みます。
実際の状態により、Programモードに切り替えるかを選択しましょう。
Result
Done!EXORのCodesys RuntimeとOMORNのNX1-9000の間にEIP接続が確立されました。
Sysmac StudioからNetwork Configuratorで行った設定を取得することも可能です。Ethernet/IP の設定画面を開き、Transform From Controllerをクリックします。
Yesで進みます。
Done!先ほどNetwork Configuratorで設定したEthernet/IP接続設定を取得できました。
もちろん、Target Node Statusのランプは青い色なので、Adapterと正常に接続されていることがわかります。
エラーコードもありません。
WiresharkからにもForward Openリクエスト成功のPacketを確認できました。
CIP I/O メッセージにも確認できました。
OMRON側出力TAGの値をCodesys Runtimeの入力も反映できました。
Codesys側出力TAGの値をOMRONの入力も反映できました。