Siemens#S7‐1200 G2でPROFINET RTとIRTネットワークを構築してみよう

今回の記事ではS71200-G2でPROFINET コントローラーを立ち上げ、murrelektronikの55510(IRT)とIndusol のPROmesh p10X(RT)と接続します。また、今回記事では”接続”できるまでしか書いていませんが、これに沿って今後様々な記事も展開していきます。

さ、FAを楽しもう!

前書き

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Isochronous Real-Time PROFINET (IRT)

S7-1200 G2 CPU は Isochronous Real-Time PROFINET (IRT) をサポートしています。IRT は PROFINET デバイスが非常に高い精度で同期する伝送方法です。同期マスターは同期スレーブが同期するクロックを指定します。

IO コントローラまたは IO デバイスが同期マスタの役割を持つことができます。

同期マスターと同期スレーブは常に同期ドメイン内のデバイスである。帯域幅はシンクドメイン内でIRT通信用に予約されている。予約された帯域幅以外では、リアルタイムおよび非リアルタイム通信(TCP/IP通信)が可能です。

IRT付きPROFINETは特に次のような場合に適しています:

  • ユーザーデータ通信(生産性データ)に関して、大量構造のための高いパフォーマンス。
  • ユーザー・データ通信(生産性データ)に関して、ライン・トポロジーに多数の機器があっても高いパフォーマンスを発揮する。
  • 本番データとTCP/IPデータを有線で並列伝送し、伝送帯域を確保することでデータ量が多い場合の本番データの転送を確保する。

Implementation1

最初にS71200 G2 ControllerをTIAプロジェクトに追加します。

S7-1200G2を追加

Add new deviceで新規デバイスを追加します。

今回は未定義のS71200 G2 を追加します。

Done!

検出

次はDetectボタンをクリックし、同じネットワーク内にあるS71200 G2 を検索します。

自分のPCのEthernet インタフェースを設定します。

Start SearchでネットワークのS71200 G2 を検索しましょう。

Done!次は検索したS71200 G2をクリックしましょう。

Connectで進みます。

Yesで進みます。

TIA V18からCPUに関するセキュリティ設定を事前に設定する必要があります。今回は実際の運用ではありませんので、すべてのセキュリティ設定を無効にします。

Protects the PLC configuration data from the TIA..のCheckboxを外し、Next>>で進みます。

Only allow secure.. のCheckboxを外し、Next>>で進みます。

PasswordなしのFull accessに設定し、Next>>で進みます。

最後にもう一度確認し、Finishで設定を保存します。

Done!

IPアドレスの設定

S71200 G2 のIPアドレスを構築するには、Network viewをクリックします。

下図のShow address labelsのボタンをクリックし、IPアドレスをアプリケーションに合わせて設定しましょう。

また、S71200 G2 をクリックし、Properties>PROFINET interterface>Ethernet addressを開き、IPアドレスの変更も可能です。

IPオンライン設定

TIAツール上で直接S71200 G2 のIPアドレスを変更もでき、下図のボタンをクリックします。

Start Searchをクリックします。

S71200 G2 を検索でき、Showをクリックします。

Done!Online AccessにネットワークにあるS71200 G2が表示されました。 

Online and Diagnosticsをクリックします。

Functionsを開き、IPを入力し、”Assign IP addess”をクリックします。

Done!

ダウンロード

プロジェクトをDownloadします。

次はLoadで進みましょう。

少々お待ちください…

Done!最後はDrop-listからStart moduleを選び、CPUをRUN Modeにしましょう。

Implementation2

次はIndusolのPROmesh P10XとS71200 G2 を接続します。

GDSMLのダウンロード

IndusolのPROmesh P10XとProfinetで接続するには、IndusolのHPからGSDML FILEをDownloadしてください。

https://www.indu-sol.com/en/industrial-ethernet/switch-promesh-p/promesh-p10x/

メールアドレスなどの情報を入力していただければDownloadできます。

GSDMLのインストール

次はIndusolのPROmesh P10XのGSDML FileをTIAにインストールします。

Installで進みます。

少々お待ちください…

Profientデバイス追加

次はPROFINETネットワークに先ほど追加したPROmesh PX10Xデバイスを追加します。

Done!

Profinet ネットワークの割り当て

IndusolのPROmesh P10XとS7-1200G2と同じPROFINETネットワークに割り付けましょう。

Done!

トポロジーの設定

次はTopology Viewに切り替えます。

こちらの画面ではネットワークにある機器が物理的どんなつながり経路してるかを設定でき、もしその接続経路と実物が合わなかったらエアーが発生します。その機能はネットワーク機器が多くなると非常に役に立ちます。

PROmesh P10XのPort1を選択すると、ときにのデバイス一覧でも該当するPORTを選択するようになります。

いまPROmesh P10XのPort1とS7-1200G2のPort1を接続していますので、そのままPROmesh P10XのPort1をS7-1200G2のPort1に引っばってください。

Done!

それで設定OKです。

デバイス名の割り当て

PROFINET通信にはデバイス名が必要なので、PROmesh-P10X>右クリック>Assign device nameをクリックします。

Update listボタンをクリックしPROFINETデバイスを検索します。

Done!

ダウンロード

プロジェクトをDownloadします。

次はLoadで進みましょう。

結果

Done!S7-1200G2とIndusolのPROmesh-P10X間でPROFINET通信が確立できました。x

Topology Viewでも物理的な配線状態を確認できます。

Implementation3

最後はmurrelektronik社のIRT PROFISAFE・PROFINE両方も対応できるIP67モジュール55510にもS7-1200G2とIRT通信を確立してみましょう。

GSDMLのインストール

Options>Manage general Station description files(GSD)をクリックします。

GSDMLの管理画面が表示され、…ボタンをクリックします。

先程DownloadされたGSDML Folderを選びましょう。

Done!GSDML Fileが見つかりました。InstallでGSDML Fileをインストールします。

Done!

Profinetデバイス追加

先程追加したMurreletronik IP67モジュール 55510をPROFINETネットワークに追加します。

Profientネットワークの割り当て

Murreletronikの55510 IP67モジュールtpS71200 G2 と同じネットワークに割り付けましょう。

Done!

F-HOSTを有効にする

次はS71200 G2 のF-HOST機能を有効にするにはS71200 G2を選び>Properties>Fail-safe>F-activationにある”Enable F-activation”をクリックしてください。

IRTデバイスの設定 -Murreletronik 55510

今回の記事はMurreletronikの55510とS7-1200G2間はPROFINET IRT通信するので、55510をクリックし通信設定を行います。

PROFINET>Advnaced options>Read time settings>Synchronizationをクリックし、RT classを”IRT”に設定してください。

IRT コントローラ -S7-1200G2 の設定

次はS71200 G2 をPROFINET IRT コントローラーとして設定します。

Properties>Real time settings>Synchronization>Sync masterとして選択してください。

トポロジー

PROFINET IRTネットワークには各IRT機器のTopology(物理Ethernet配線)を設定する必要があります。今回の記事ではS71200 G2 とP2とMurreletronik 55510のPort1と接続するので、Topology Viewにも同じように設定します。

デバイス名の割り当て

先ほどのImplementationと同じようにMurreletronik 55510にもデバイス名を割り付けましょう。

ダウンロード

最後はプロジェクトをDownloadすればOKです。

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