こちらは新しいシリーズで、OTeeというVirtual PLCを使用し様々な記事を展開します。最初にアカウントの登録・Runtimeインストール・プロジェクトDownloadまで紹介します。
さ、FAを楽しもう。

OTee?
OTeeはヨーロッパの会社で産業制御、ソフトウェア開発、AI、サイバーセキュリティ、産業革新に深い専門知識を持つ9人の国際的なチーム(ノルウェーに5人、合計12人の修士号取得者、3人の博士号取得者)を擁してるプロチームです。
OTeeは、クラウド上にオープンな仮想PLCを作成し、x86またはArmアーキテクチャの任意のハードウェア上で動作するようにデプロイできるようにすることで、産業オートメーションにおけるベンダーロックを打破します。OTeeは、クラウドから直接仮想PLCのフリートを管理し、集中化された安全性の高いクラウド環境からスケールの大きなオペレーションを実現します。
主なメリット
OTeeには以下のメリットがあります。
クラウドネイティブの柔軟性
自動アップデート、スケーラブルなリソース、リモートアクセスなど、クラウド・ソフトウェアのあらゆる利点を享受しながら、従来のデスクトップ・インストールの制約を回避できます。
オープンでベンダーを問わない
プロプライエタリなシステムの制限を受けることなく、互換性のあるハードウェア上でOTee仮想PLCを実行できます。
未来のために
CI/CDパイプライン、ロールベースのアクセス制御(RBAC)、ゼロトラスト・サイバーセキュリティ・フレームワークのサポートにより、システムの安全性と将来性を確保します。
仕組み
仮想制御システムの導入は非常に簡単です。以下の手順に従うだけで始められます:
- アカウントを作成し、GoogleまたはMicrosoftベースのSSOでログイン
- プロジェクトを作成し、デバイス(x86またはARM CPUアーキテクチャ)を接続
- 仮想PLCをStructured Textでプログラム
- イーサネットベースのI/Oを構成
- コンパイルしてデプロイ
- システムの管理と更新
- そして無料で試せます!
特徴
OTeeは現代の自動化に必要な提案を提供します。
- ロールベースアクセスを備えた中央集約型・セキュアなクラウド環境
- 産業グレードのオープンランタイム環境
- ハードウェア非依存かつIEC 61131-3準拠
- CI/CDパイプライン統合(現在開発中)
- フリート管理とゼロトラスト・セキュリティ
- コミュニティ主導のライブラリとバージョン管理(現在開発中)
- Ethernet/IPやModbusなどのプロトコル対応
Implementation
アカウント登録
下記のOTeeのHPにアクセスし、アカウントを登録します。
Try it nowをクリックします。
OTeeのIndustrial IoT Platformへのサインアップとログインは、app.otee.io/loginから行うことができます。既存のアカウントをお持ちでない場合は、”Don’t have an account? Sign up “リンクをクリックしてください。ここで、あなた自身のために安全な電子メールとパスワードの組み合わせを設定するか、単にGoogleまたはMicrosoftの仕事アカウントを接続することができます。
システム要件
- Linux OS
- インターネット接続とオープンな7422ポート(アウトバウンド)
- 目的の制御ロジックとサイクルタイムをサポートするのに十分なCPUとメモリ(小規模なプロジェクトであれば、ほとんどのマシンで可能です!- Free Tierを使用する場合は、デバイスに少なくとも2GBのディスク容量と1GBのRAMが必要です。)
- OSにインストールされたCURLとtar
- Dockerと’docker compose’ (v2以上)がOSにインストールされていること(以下の次の情報ボックスを参照)
- 現在のユーザーがDockerユーザーグループの一員である必要がある(またはsudoを使用する)
Dockerをインストールする
下記のリンクに沿ってDockerをインストールしてください。OTee vPLCを導入するには、ネットワーク上にそれを実行できるハードウェアデバイスが必要です。これは既存の物理的でオープンなPLCでも、システム要件を満たす市販のハードウェアでもかまいません。
https://docs.docker.com/engine/install/
下記のコマンドで自分のOSを確認できます。
cat /etc/os-release |
Terminalから下記のような返答がくるはずです。
PRETTY_NAME=”Debian GNU/Linux 12 (bookworm)” NAME=”Debian GNU/Linux” VERSION_ID=”12″ VERSION=”12 (bookworm)” VERSION_CODENAME=bookworm ID=debian HOME_URL=”https://www.debian.org/” SUPPORT_URL=”https://www.debian.org/support” BUG_REPORT_URL=”https://bugs.debian.org/” |
なので、自分の手元にあるラスパイのOSは以下になります。
Debian GNU/Linux 12 (bookworm) |
自分のユーザーをDockerユーザーグループに追加するには、以下のコマンドを実行してください。
sudo groupadd docker sudo usermod -aG docker $USER // now logout and login. |
デバイスの追加
OTeeのOnline Platformにアクセスし、Devicesボタンをクリックします。
こちらはOTeeのデバイス追加画面になります。
”Onboard a device”をクリックし、今回記事で使用するラスパイ4を追加します。
Onboard deviceのPopupが表示されます。
ArchitectureのDrop-listから適切なArchitectureを設定します。
下記のコマンドでArchitectureを確認できます。
uname -m |
結果 | 意味 | 該当アーキテクチャ |
x86_64 | 64bitのIntel/AMD CPU | x86-64 (AMD64) |
aarch64 | 64bit ARM(Pi 4, Pi 5など) | AArch64 (ARM64) |
armv7l | 32bit ARM(古いPiなど) | AArch32 (ARM32) |
今回自分の記事で使用したラスパイはaarch64です。
pi@raspberrypi:~ $ uname -m aarch64 |
ArchitectureでAArch64を選び→Saveで進みます。
しばらく待ちます…
ホストデバイスのターミナルからコピーして実行するためのCURLコマンドが作成されます。これにより、OTeeデバイスエージェントと利用可能な最新のOTeeランタイムバージョンがマシンにインストールされ、最初の仮想PLCが誕生します!
Runtimeのインストール
先ほどOTeeのPlatformから生成したインストールコマンドを複製し、ラスパイのTermailに貼り付け、実行します。
Done!それでOTee Runtimeがインストールされました。
サンプルプログラム
次はPrograms>program0で簡単なSTプログラムを作成します。
デバイスの選択
下図のDrop-listから先程Onboardしたラスパイを選択します。
コンパイル
Compileをクリックし、プログラムをコンパイルしていきましょう。
ダウンロード
最後はDownloadボタンをクリックし、プロジェクトをラスパイにDownloadします。
Downloadするには様々なOptionsがあり、今回の記事ではまずDefaultの”Use current tag values”を使用します。
しばらく待ちます…
Done!
Monitor
最後はOTeeのPlatform上でPLCの変数値を確認しましょう。Display live tag valuesをクリックします。
Done!