今回の記事ではSiemensのPNPN Couplerを使用し、SIEMENS S71500とBeckhoff TwinCAT3 TF6271をProfinet IO Controllerでデータ交換します。
さ、FAを楽しもう。

前書き
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PNPN Coupler データ・ステータス・バイト
最後のバイトのデータ・ステータス・バイト(DS)に基づいて、ユーザーは以下のシナリオを認識することができます。
- 0x40: 他のサブネットにモジュール入力データの有効なカップリングパートナーがない。
- 0x60: 他のサブネットの IO コントローラが STOP 状態である。
- 0x80 カップリングパートナーから有効なユーザデータを受信した

GSDMLのダウンロード
下記のLinkからPNPN CouplerのGSDML FILEをDownloadしてください。

Implementation
Siemens Side
初めにシーメンス側を構築します。

GSDMLのインストール
PNPN CouplerのGSDMLをインストールします。

Installで進みます。

Done!

Profinet ネットワークの設定
次はCatalogからPNPN Coupler V4.2 X1をProfinetネットワークに追加します。

Done!PNPN Coupler が追加されました。

スロットの設定
次はPNPN Couplerを開き、Slot設定を行います。

Module→OUT→OUT 253 ByteをSlot1に追加します。

Done!そしてIO Module→IN 253 Bytes+DSでSlot2を追加します。

Done!これでPNPN Couplerの設定が完了しました。

Profinet ネットワークの割り当て
次はPNPN CouplerにあるNot assignedから接続するProfinet Interfaceを選択します。

Done!

IPアドレス
次はPNPN CouplerのIPアドレスをアプリケーションに合わせて設定しましょう。

Done!

名前を割り当てる
次はPNPN CouplerのProfinet デバイス名を割り付けるために、デバイスを右クリック→Assign Device Nameします。

Profinet デバイス名の割り付け画面が表示され、Update Listでネットワーク上にあるProfinet デバイスを検索します。

Done!今回記事で使用するPNPN Couplerが見つかりました。

そのPNPN Couplerを選び→Assign NameでProfinet デバイス名を割り付けます。


プログラム
次はプログラムを作成します。こちらはData Status値によりPNPN Couplerの状態を判断します。


こちらはデータをBeckhoff TwinCAT3に送信する前に、一回SWAPします。

ダウンロード
最後はプロジェクトをS71500にDownloadしていきましょう。
TwinCAT3 Side
次はTwinCAT3側を構築します。

GSDMLファイルのインストール
Siemens のHPからDownloadしたGSDML Fileを下記のDirectoryに格納してください。
C:\TwinCAT\3.1\Config\Io\Profinet

Profinet IO コントローラの追加
Profinet IO Controllerを追加するために、Devices→右クリック→Add New Itemします。

Profinet→Profinet I/O Controller(RT)を選び、OKで進みます。

Done!

イーサネットアダプターの設定
Adapter Tab→Searchボタンをクリックし、TwinCAT Runtimeに使用できるEthernet Adapterを設定します。

今回の記事ではX001を使用します。

Done!

Profinetタスクの構成
次はSync Task→Special Sync Taskをクリックし→Create new I/O Taskします。

Task名を入力します。

Done!

設定
Settings Tabを開き、Profinet Io ControllerのIP アドレスとデバイス名を設定しましょう。

Profinetノードのスキャン
実はTwinCAT3ではScan機能を使用し、Profinet ネットワーク内にあるProfient デバイスを検索することができます。
Profinet IO Controller右クリック→Scanします。

Done!今回記事で使用するPNPN Couplerを検索できました。

PNPN Couplerを選び→Add Devicesをクリックします。

Yesで進みます。

Done!PNPN Coupler X2はProfinetネットワークのConfigurationに追加されました。

スロットを追加
次はPNPN CouplerにSlotを追加します。注意するのはこのSlotの設定はX1側(今回Siemens S71500)と一致する必要があります。

こちらはSlotの構築画面になります。

Siemens S71500側でSlot1は出力253 Bytesだと設定されましたので、X2側ではこれに合わせてIN 253+DS を設定いたします。

Siemens S71500側でSlot2は入力253 +DSはBytesだと設定されましたので、X2側ではこれに合わせて出力253 Bytesを設定いたします。

Done!

これでOKです。

デバイス名
PNPN Couplerのデバイス名General→Nameで設定できます。

IPアドレス
PNPN CouplerのIPアドレスはDevice Tabから設定できます。

PLCの追加
次はPLCを追加するため、PLC>Add New Itemをクリックします。

Standard PLC Projectを選び>AddでPLCを追加します。

GVL
こちらのGVLでPNPN CouplerとMappingするProcess入出力になります。
{attribute ‘qualified_only’}
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---|
プログラム
こちらはPNPN Couplerを経由しシーメンス S71500と通信テストするプログラムです。
PROGRAM MAIN
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---|
マッピング入力
Process入力データをPNPN CouplerとMappingするために、Inputsをクリックします。

すべての変数を選び→右クリック→Change Multi Linkします。

先ほどGVLで宣言した入力データとMappingします。

マッピング出力
Process出力データをPNPN CouplerとMappingするために、Outputsをクリックします。

すべての変数を選び→右クリック→Change Multi Linkします。

先ほどGVLで宣言した出力データとMappingします。

設定の有効化
最後はActivate ConfigurationでプロジェクトをCPUにDownloadします。

Okで進みます。

OKでTwinCAT RuntimeをRun Modeに切り替えましょう。

Login
次はLoginし、TwinCAT IDEとRuntimeを接続します。

Yesで進みます。

スタート
最後はStartボタンをクリックしアプリケーションを起動します。

結果
PNPN Couplerにはエラーランプなしです。

S7-1500とPNPN Couplerにも通信OKです。

Siemens S71500側に書き込んだデータはTwinCAT3側が受け取りました。

TwinCAT側に書き込んだデータはSiemens S71500側が受け取りました。
