今回の記事ではHMSのAB7957-F EtherNet/IP Scanner/CC-Link IE Field Gatewayの立ち上げを紹介します。CC-LINK IE Field MasterではIQ-RのRJ71GF11-T2で、Ethernet/IP AdapterはWAGO社のCC100とPFC200 750-8215になります。
さ、FAを楽しもう。
Reference Link
http://soup01.com/ja/category/hms/anybus/
AB7957-F
Anybus X-gateway EtherNet/IP Master to CC-Link IE Field Slaveは、あらゆるEtherNet/IPデバイスや機器をCC-Link IE Field制御システムに接続することができます。 Anybusゲートウェイは、異なる産業用ネットワーク間の信頼性が高く、セキュアで高速なデータ転送を保証します。
Anybus X-gateway – CC-Link IE Field™ Slave Interface
CC-Link IE フィールド・スレーブ・インターフェースは、トップマウントまたはボトムマ ウントが可能です。 X-gateway用CC-Link IEフィールド・スレーブ・インターフェースは、電気的に絶縁されたCC-Link IEフィールド・インターフェースを実装しています。 このインターフェースはスレーブ・デバイスとして動作し、CC-Link IE フィールド・マスターからアクセスすることができますが、自ら通信を開始することはありません。今回記事で使用したのはボトムマ ウントタイプになります。
DIP Switch
Switch 1-7
スイッチ1から7は2進数表記でノード番号を設定でき、変更はゲートウェイを再起動した後に有効になります。
Switch 8
スイッチ8は、各列の最後の2つのLEDの機能(上部または下部インターフェース)を決めます。 変更は即座に反映されます。ON=LEDにLINK状態を表示します。
Data Exchange
データは入出力バッファ、またはCC-Link IE Fieldプロトコルを介して交換されます。
- Input Buffer
このバッファは、他のネットワークから転送されたデータを保持します。すなわち、CC-Link IE フィールド・マスタが読み取ることができるデータになります。 - Output Buffer
このバッファは他のネットワークに転送され、CC-Link IE フィールドマスタで書き込み可能なデータになります。
I/Oデータはサイクリック・データ(RWx、RY、RXポイント)として転送されます。
Data representation
CC-Link IE フィールドネットワーク上のサイクリック・データ入出力データは、ビット情報とワード情報に分けられます。データの分布を予測できるように、I/Oサイズは、ビット情報の16ビットブロックを含む部分と、ワード情報の64ビットブロックを含む部分に分けられます。 詳しいMappingは取説に確認してください。
Anybus X-gateway – EtherNet/IP™ Scanner Interface
EtherNet/IPスキャナ・インタフェースはAnybus X-gatewayのトップ・スロットにのみ実装可能です。EtherNet/IPスキャナ・インタフェースはAnybus X-GatewayプラットフォームにEtherNet/IPスキャナ機能を提供し、 最大64のEtherNet/IPノード(アダプタ)とデータを交換可能です。
また、内蔵FTP、Webサーバ、Eメールクライアント機能などの追加IT機能を備えています。
さらに、ダイナミックコンテンツ機能により、入出力バッファからのデータをWebページで監視したり、E-mailメッセージに含めることができます。
DIP Switch
IP Address Configuration Switches
DIPスイッチを使用し、サブネット 192.168.0.1-254 内の IP アドレスの最後のバイトのバイナリ値を設定します (ネットマスク 255.255.255.0)。異なるサブネットを使用するには、すべてのスイッチを OFF に設定し、Anybus IPconfig でコンフィギュレーションを行ってください。
Function
HMSのEthernet/IP Scanner インタフェースには下記の機能が実装されています。
- EtherNet/IPスキャナ
- FTPサーバー
- Webサーバー
- SMTPクライアント
- 10/100Mbit動作、全二重または半二重
- オンボードIPコンフィギュレーション・スイッチ
- シールドまたは非シールドケーブル
Implementation
Wago CC100 Side
最初にWAGO社のCC100を構築します。
Configure Ethernet/IP Adapter
CodesysにEthernet/IP Adapterを追加します。
Add Ethernet Adapter
Devicesを右クリック>Add Deviceします。
Ethernet Adapter>Ethernetを選び、Add Deviceします。
Configure interface
General Tabを開き、BrowseでEthernet/IP Adapterとして使用するインタフェースを設定します。
Done!
Add Ethernet Adapter
次はEthernet/IP>Ethernet/IP Local Adpater>Ethernet/IP AdapterでEthernet/IP Adapterを追加します。
Add Ethernet Adapter Module
最後はEthernet/IP Adapterの下にEthernet/IP Moduleを追加します。
Done!これで準備OKです。
Add Consuming Assembly
Ethernet/IP Moduleを開き>Assembles>Consumeing AssemblyでAddボタンをクリックしAssembly パラメータを追加します。
こちらはAssembly パラメータの追加画面です。
データ・タイプをBYTEに設定、Countを20個(同じパラメータを20個連続作成)に設定し、Okで進みます。
Done!
Add Producing Assembly
Producing Assembly側も同じ操作で20 BytesのAssembly パラメータを定義しましょう。
Result
これでOKです。
Mapping
今度はEthernet/IP Module の入出力データを絶対アドレスに指定します。
GVL
Global Variable Listで先程Mappingに定義した絶対アドレスと合わせて変数を定義します。
{attribute ‘qualified_only’} VAR_GLOBAL in AT %IB10:ARRAY [0..19]OF BYTE; out AT %QB10:ARRAY[0..19]OF BYTE; END_VAR |
POU
こちらは通信確認用のプログラムです。
PROGRAM POU VAR inData:ARRAY[0..9]OF INT; OutData:ARRAY[0..9]OF INT; END_VAR MEM.MemMove( pSource:=ADR(GVL_EIPAdapter.in) ,pDestination:=ADR(inData) ,uiNumberOfBytes:=SIZEOF(inData) ); OutData[0]:=16#1234; OutData[9]:=16#2013; MEM.MemMove( pSource:=ADR(OutData) ,pDestination:=ADR(GVL_EIPAdapter.out) ,uiNumberOfBytes:=SIZEOF(outData) ); |
Login
最後はプロジェクトをCPUにDownloadしましょう。
PFC200
WAGO社のPFC200 750-8215を構築します。
Configure Ethernet/IP Adapter
CodesysのEthernet/IP Adapter構築は先ほどCC100と同じなので、注意点のみ説明します。
Configure interface
Ethernet/IP Adapterで使用するEthernet インタフェースを実機に合わせてください。
Add Consuming/Producing Assembly
Ethernet/IP Adapterの入出力データを10Bytesずつに設定します。
Mapping
今度はEthernet/IP Module の入出力データを絶対アドレスに指定します。
GVL
Global Variable Listで先程Mappingに定義した絶対アドレスと合わせて変数を定義します。
{attribute ‘qualified_only’} VAR_GLOBAL in AT %IB10:ARRAY [0..9]OF BYTE; out AT %QB10:ARRAY[0..9]OF BYTE; END_VAR |
POU
こちらは通信確認用のプログラムです。
PROGRAM POU VAR inData:ARRAY[0..4]OF INT; OutData:ARRAY[0..4]OF INT; END_VAR MEM.MemMove( pSource:=ADR(GVL_EIPAdapter.in) ,pDestination:=ADR(inData) ,uiNumberOfBytes:=SIZEOF(inData) ); OutData[0]:=16#4321; OutData[4]:=16#20AA; MEM.MemMove( pSource:=ADR(OutData) ,pDestination:=ADR(GVL_EIPAdapter.out) ,uiNumberOfBytes:=SIZEOF(outData) ); |
Login
最後はプロジェクトをCPUにDownloadしましょう。
Mels Side
次は三菱IQ-R側を構築します。
Module Configuration
GXWORKS3を起動し、今回記事で使用するRJ71GF11-T2をModule Configurationに追加指定して行きましょう。
Configure RJ71GF11-T2
Parameter>Module Information>RJ71GF11-T2を設定します。
Station Type
Station TypeはMaster Stationに設定します。
Network No.
Network No.は他のCC-Link IE Fieldのネットワークに番号を被らないよう設定します。
Network Setting
次はNetwork ConfigurationSettings>Detailed Settingsをクリックします。
こちらはCC-Link IE Fieldのネットワーク設定画面になります。
Module ListからGeneral CC IE Field Module>Gen. Intelligent Device Stationをネットワークに追加します。
Done!
STA#
STA#はCC-Link IE Field Slaveのノード番号になります。AnybusのAB7957-Fデバイスに設定したノード番号に合わせていきましょう。
RX/RY Setting
次はRX/RY(Bitデータ)の点数を設定します。Assignment Method>Point/Startに表示を切り替えます。
Station2は現在入力点数からRX/RYの範囲を自動で決めてくれます。今回の記事では50 Bytesのデータを交換しますので、Points/Bit=80点になります。
RWw/RWr Setting
先と同じように、Station2は現在入力点数からRWw/RWrの範囲を自動で決めてくれます。今回の記事では50 Bytesのデータを交換しますので、Wordt=20個になります。
Save
CC-Link IE Fieldの設定が終わったらCC IE Field Configuration>Close with Reflecting the Settingで設定を保存しましょう。
Reflesh Setting
次はReflesh設定を行います。こちらはCC-Link IE Field 経由で交換するデータとリングさせるPLC内部のレジスタを設定します。
こちらはReflesh Settingの画面になります。
今回の記事では以下のように設定します。
- RX0000から80点の入力データをB00からB04Fまで転送します。
- RY0000から80点の出力データがB100からB14Fまでに上書きされます。
- RWr0000から20個の入力データをD0からD19まで転送します。
- RWw0000から20個の出力データがD100からD119までに上書きされます。
Download
プロジェクトをCPUにDownloadし、PLCの電源をリセットしましょう。
HMS Side
最後はHMSのAB7957−F Gatewayを設定します。
Install Tools
下記のLinkからAnybus Configuration ManagerとAnybus Transport ProviderをDownloadしてください。
Tool-Installation Anybus Transport Provider
Anybus Configuratorをインストールする前に、こちらのAnybus Transport Providerをインストールしましょう。
Next>で進みます。
ライセンスに同意し、Next>で進みます。
インストールするLocationを設定し、Next>で進みます。
インストールを始めます。
少々お待ち下さい。
USB Driverもインストールしておいてください。
Done!
Tool- Installation Any bus Configuration Manager
次はHMSのAny bus Configuration Managerをインストールしましょう。
Next>で進みます。
ライセンスに同意し、Next>で進みます。
インストールするLocationを設定し、Next>で進みます。
Next>で進みます。
Shortcutを作成、Next>で進みます。
インストールを始めます。
Done!
Tool-Installation HMS IP Config
下記のLinkからHMS IP CofigソフトウェアをDownloadし、PCにインストールしましょう。
Nextで進みます。
ライセンスを同意し、Nextで進みます。
セットアップDirectoryを設定し、Nextで進みます。
Nextで進みます。
Nextで進みます。
インストールをスタートします。
Done!
PCとHMS のデバイスをLANで接続しているのであれば、HMI IPConfigから該当するデバイスのIP Cofigアドレスなどの情報を確認・変更できます。
Configuration
Anybus Gatewayを起動し、Gatewayを設定します。
こちらはAny bus Configuration Managerの画面です。
Select Connection
Online>Select ConnectionでPCとモジュールの接続インタフェースを設定します。
USB接続を選び>Okで確定します。
Connect!
モジュール本体にあるUSB PortとPCを接続します。
Online>ConnectでPCとモジュールを接続しましょう。
Done!
Upload Configuration
Online>Upload Configurationでモジュールの設定をアップロードしましょう。
少々お待ち下さい…
Done!
UpperがEthernet/IP Scanner・LowerはCC-Link IE Field Networkの構成もUploadされました。
Set Operation
AB7957-FのEthernet/IP Scanner インタフェースを構築するには、デバイスの稼働モードをIdleに変更する必要があります。Tools>Set Operation Modeをクリックします。
Drop-ListからRunning→Idleに変更します。
Done!
WEB
AB7957-FのWeb Serverにアクセスします。
General Status
General Statusページでは、ゲートウェイ初期化パラメータとゲートウェイ診断の概要を提供します。
IPConfig
IPConfigページは、現在のTCP/IP設定、DNS設定、SMTPサーバー設定を確認できます。
Scan List Configuration
Ethernet ウェブインタフェースには、EtherNet/IP ネットワークのスキャンリストを設定するオプションがあります。スキャン・リストを保存するには、スキャナをIdleにする必要があります。
画面の左下に現在モジュールの稼働モードを確認できます。
モジュールがIdleモードに切り替えると、Scan List ConfigにAddやDeleteのコマンドが表示されます。
今回の記事ではすでにScan Listの構築を完了しましたが、それでもEthernet/IP Adpaterの追加方法を説明していきます。Addボタンをクリックし新しいEthernet/IP Adapterを追加しましょう。
こちらはEthernet/IP Adapterの設定画面になります。
CC100 Side
最初にWAGO CC100側で立ち上げたEthernet/IP Adapterを設定しましょう。
IP Address
IPアドレスはWAGO CC100に合わせて設定してください。
Transport Type
O→TとT→Oのデータ通信タイプを設定します。今回は両方ともPoint To Pointに設定します。
Data O->T
O→Tのデータサイズを設定します。ここはここから接続したいEthernet/IP Adapterのサイズに合わせる必要があります。CC100では20 Bytesのデータを設定しましたので、ここで同じように20 に入力しましょう。
また、Offset Wordは 今回Total 50Byesの中に、このConnectionに占用するWordの先頭メモリOFFSETを設定することを意味します。まずCC100は0で設定します。
Data T->O
T→Oのデータサイズを設定します。ここはここから接続したいEthernet/IP Adapterのサイズに合わせる必要があります。CC100では20 Bytesのデータを設定しましたので、ここで同じように20 に入力しましょう。
また、Offset Wordは 今回Total 50Byesの中に、このConnectionに占用するWordの先頭メモリOFFSETを設定することを意味します。まずCC100は0で設定します。
Data Rate(ms)
Ethernet/IPのデータ更新周期はアプリケーションやネットワーク負荷に合わせて調整してください。
Connection Point O->T
こちらはO→TのConnectionに当たって接続するInstance番号を設定します。
CC100側では16#64に設定しましたので、O→TのInstance番号100(10進数)に設定しましょう。
Connection T->O
こちらはT→OのConnectionに当たって接続するInstance番号を設定します。
CC100側では16#65に設定しましたので、O→TのInstance番号101(10進数)に設定しましょう。
Connection Config
最後にConfig Instance 番号を設定します。
CodesysのConnection Pathに66だとDefaultに設定されますので、Instance番号102(10進数)に設定しましょう。
Save
最後は設定を保存します。
WAGO PFC200 Side
WAGO PFC200側にも同じ操作で設定を行います。
IP Address
IPアドレスはWAGO PFC200に合わせて設定してください。
Data O->T/Data T->O
データサイズはWAGO PFC200側に合わせて10 Bytes入出力に設定します。
そしてOffsetは10に設定します。それは先程CC100に20Bytesの入出力データがあり、Offsetを0に設定した。なので、CC100のEthernet/IP 接続に占用したWord=10個=Word0からWord9になります。2番目の接続は最低限ではOffset=10(次に使ってないメモリエリア)を設定必要があります。
Monitor
こちらはMonitor画面です。こちらの画面でIOデータを確認できます。
About
最後はAboutページです。このページでは、ゲートウェイの様々なコンポーネントのソフトウェア・バージョン番号とシリアル番号などの情報を確認できます。
Configure EIP Scanner Side
Ethernet/IP Scanner側に構築していきます。基本はInput I/O DataとOutput I/O DataのBytes数をすべての接続するEthernet/IP Adapterより多く設定すればOKです。今回の例は50に設定します。
Configure CC-Link IE Field Side
CC-Link IE Field側に構築していきます。基本はInput I/O DataとOutput I/O DataのBytes数をすべての接続するEthernet/IP Adapterより多く設定し、またGXWORKS3と同じ設定に揃えばといんです。今回の例は50に設定します。
Download Configuration
最後はOnline>Download Configurationで設定をモジュールにDownloadしましょう。
少々お待ち下さい…
Done!
Result
WAGO社のCC100とPFC200 750-8215両方ともHMS社のAB7957-F Ethernet/IP Scannerと接続できました。
次はGXWORKS側でCC-Link IE Fieldの通信状態を確認します。
Done!CC-Link IE Field側にも正常に動いています。
三菱IQ-Rで書き込んだデータは、WAGO社CC100側で確認できました。
反対側にWAGO社が送信したデータは、三菱IQ-R側にも確認できました。
また、WAGO社PFC200 750-8215と三菱IQ-Rのデータ交換できました。