Beckhoff#EL6731-0010 Profibus Slave Terminalを使ってみよう

今回の記事ではBeckhoffのEL6731を使用しProfibus Masterを立ち上げ、SiemensのS7-315とProfibus 通信します。

さ、始めよう!

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Beckhoff#EL6731 Profibus Terminalを使ってみよう

EL6731-0010?

PROFIBUSスレーブターミナルEL6731-0010は、EtherCATとPROFIBUS間のシンプルなデータ交換を可能にします。EL6731-0010はPROFIBUSスレーブとして設定されているため、スレーブデバイスとしてPROFIBUSネットワークに組み込むことができます。

  • PROFIBUS DP, PROFIBUS DP V1
  • スレーブ最大12MBit/s

ステートマシン

EL6731-0010はいくつかの方法で構成できます:

  1. StartUp SDOを使用したEL6731-0010のコンフィグレーション [} 168]:StartUp SDOはEtherCATコンフィグレータで計算され、TwinCATシステムマネージャなどと同じ方法でEtherCATマスタに転送されます。
  2. EL6731-0010のコンフィギュレーションとバックアップ・パラメータ・ストレージ :ここで、PROFIBUSスレーブのコンフィギュレーションはEL6731-0010のフラッシュメモリに保存されます。

今回の記事では方法1です。

フロー

こちらはStartUp SDOを使用したときEL6731-0010の動作FLOWです。

INIT

電源投入後、EL6731-0010 は INIT 状態となり、DP の設定はありません。EL6731-0010はPROFIBUS上でアクティブではありません。

PREOP-DP slave configuration

DP のコンフィギュレーションは、PREOP 状態で SDO ダウンロードにより実行される。ロードされるオブジェクトは、コンプリートアクセスまたは一貫性ネスティング(最初にSubIndex 0を0に設定し、次にSubIndex 1-nを書き込み、次にSubIndex 0をnに設定する)で送信されなければならない。

そのため、常にオブジェクト 0xF800 から開始するように注意する必要がある。DP CfgData はオブジェクト 0x8002 で転送される。オブジェクト 0x8000 を受信すると、EL6731-0010 は PROFIBUS 上でアクティブになります(FDL のみ、DP はなし)。EL6731-0010は自動ボーレート検索をサポートしているので、ボーレートを設定する必要はありません。

PREOP-PDO Mapping

EtherCAT RxPDO (DPスレーブがDP入力を持つ場合 (DPマスタへ送信)) とEtherCAT TxPDO (DPスレーブがDP出力を持つ場合 (DPマスタから受信)) があります。

EtherCATのPDOマッピングは0x8yyzオブジェクトのダウンロード後にEL6731-0010が自動的に計算し、読み出すことができます。PDOマッピング・オブジェクトは、EL6731-0010が自分で計算した値しか書き込めません。PDOマッピングの書き込みはEtherCATコンフィグレータが計算したPDOマッピングをチェックするためだけであり、省略できます。

SAFEOP-PDO Assign

実に更なるステータス情報を含むEtherCAT PDOがあります。このPDOはPDO Assignで選択します。PDOアサインのPDOの順番に関しては、対応するPDOアサインオブジェクトの各エントリで割り当てられたEtherCAT PDOのインデックスが増加するようにすることが重要です。EtherCATマスターがPDO AssignをStartUp SDOsに転送しない場合、PDO 0x1A7Fがステータスに割り当てられます。

OP-Cyclic DP communication

SAFEOP に移行する間、EL6731 は Sync Manager のチャンネル 2 と 3 で設定された長さを PDO Mapping と PDO Assign で計算された長さと照合します。

SAFEOP 状態は、これらの長さが一致した場合にのみ採用される。EL6731-0010のDP機能はSAFEOP状態でアクティブになります。EL6731-0010がSAFEOP状態である限り、DPマスターに送られるDP入力データは0に設定されます。 

その時点でEL6731-0010をOPに切り替えると、EtherCAT出力のデータがDPマスターに送信されます。EL6731-0010はEtherCATサイクルとは独立して動作します。

Implementation

TwinCAT3側

最初にBeckhoff TwinCAT3側を構築します。

EtherCATマスタの追加

最後はEtherCATネットワークを構築します。I/O>Devices>Add New Itemをクリックします。

EtherCAT>EtherCAT masterをクリックし、OKで進みます。

Configure Ethernet Adapter

先ほど追加したEtherCATマスターをダブルクリックし、AdapterのTabでSearchボタンをクリックしてください。

EtherCAT Masterとして使用するEthernet Adapterを選択し、Okで進みます。

Done!

スキャンEtherCATスレーブ

先ほど追加したEtherCAT Masterを右クリックし>Scanでネットワーク内のEtherCAT スレーブを検索します。

Done!TwinCAT3がEL6731-0010 PROFIBUS DP Slave Terminalを検索でき、Yesで進みます。

出力スロットの設定

次にTwinCAT3のInsert Module画面が表示され、ここで直接各Slotを挿入できます。

最初に1WORD Slave-Out/Master-In Slotを挿入します。そのSlotはEL6731-0010がPROFIBUSマスターに1WORDを転送する意味になります。

また、複数のSlotを同時に追加したい場合はMultiple欄に同時追加するSlot数を入力します。

下図の例では4を入力すれば、1WORD Slave-Out/Master-Inは一気に4SLOT分まで追加してくれます。

Done!

入力スロットの設定

今度は1 WORD Slave-In/Master-Out スロットを6回分を一気に追加します。

Done!

結果

こちらはEL6731-0010のSlot構成になります。この構成はPROFIBUSマスターが合わせる必要があります。

EL6731-0010の設定

次はEL6731-0010のパラメータを設定します。

こちらはEL6731-0010のパラメータ設定画面です。

ステーション番号

Station No.はEL6731-0010のPROFIBUSアドレスになります。PROFIBUSマスターがこのアドレスに一致する必要があります。

GVL

次はGlobal Variable ListにProcess入出力とMappingする変数を定義します。

{attribute ‘qualified_only’}
VAR_GLOBAL
OutDataToSiemenS71500 AT %Q*:ARRAY[0..3]OF WORD;
InDataFromSiemensS71500 AT %I*:ARRAY[0..5]OF WORD;
inDpState AT %I*:USINT;
inPDOState AT %I*:BOOL;
END_VAR

マッピング

今度はGVLに定義したPROCESS変数とEL6731-0010の入出力とMAPPINGしましょう。

最初に出力データをMAPPINGしたいので、Outputs>右クリック>Change Linkをクリックします。

先程定義した出力PROCESS変数とMAPPINGしましょう。そして他の出力にも同じ操作でMAPPINGしてください。

次はEL6731-0010の入力データをMAPPINGしたいので、Inputs>右クリック>Change Linkをクリックします。

先程定義した入力PROCESS変数とMAPPINGしましょう。そして他の入力にも同じ操作でMAPPINGしてください。

Active Cofiguration

Active ConfigurationをクリックしプロジェクトのHard構成をTwinCAR RuntimeにDownloadします。

ログイン

プログラムをTwinCAR RuntimeにDowloadします。

Yesですすみます。

スタート

TwinCAR Runtimeをスタートします。

シーメンス側

次はシーメンスS71500側を構築します。

GSDファイルのダウンロード

BeckhoffのHPからEL6731-0010のGSD FILEをDownloadしてください。

https://www.beckhoff.com/ja-jp/products/i-o/ethercat-terminals/el6xxx-communication/el6731-0010.html?

GSDファイルのインストール

Options>Manage general station description Fileをクリックします。

次はTIAからEL6731-0010のGSD FILEをインストールしてください。

すべてのGSD FILEを選択し、Installで進みます。

Done!

Profibus ネットワークの設定

次はPROFIBUSネットワークを構築するため、Devices and Networkをクリックします。

EL6731-0010の追加

先ほど追加したEL6731-0010をネットワークに引っ張って行きましょう。

Done!これでEL6731-0010が追加されました。

プロフィバスネットワークの割り当て

EL6731-0010のアイコンにあるNot Assignedをクリックします。

S71516Fと同じPROFIBUSネットワークに設定します。

Done!

プロフィバスアドレスの設定

EL6731-0010のPROFIBUSアドレスを設定するために、下図のICONをクリックします。

TIAのNetwork ViewにはすべてのPROFIBUS デバイスのアドレスが表示されます。

下図のようにEL6731-0010のPROFIBUSアドレスを変更しましょう。

このアドレスはTwinCAT3で設定したEL6731-0010と一致してください。

スロットの設定

今回はEL6731-0010のSLOT構成を設定するために、EL6731-0010をダブルクリックします。

TIAをDevice Viewに切り替えました。

EL6731-0010のSlotを構築するには、右のCatalogに必要なモジュールを追加しましょう。

Done!

TIA側のSLOT設定をTwinCAT3と一致してください。

タグ

PLC TagsでEL6731-0010と交換する変数を定義します。

プログラム

次はプログラムを作成します。

fcSwapFeedback

TwinCAT3 RuntmeとSiemensをデータ交換するにはByte SWAPする必要があります。今回の通信確認するために、SWAP関数を作成し、wAddというパラメータで入力したデータとそのパラメータを加算し、EL6731-0010にReturnします。

こちらはプログラムです。

OB1

先程作成した関数を呼び出し、EL6731-0010の入出力を割り付けましょう。

ダウンロード

最後はHardware ConfigurationとプログラムをSiemensのPLCにDownloadします。

結果

下図のように、Siemens S71516FとBeckhoff EL6731-0010両方とも正常RUN状態になります。

PROFIBUSネットワークにも通信エラーがありません。

TwinCAT3側にもinDPStateとInPDOStateが0とFalseなので、エラーがないことがわかります。

先ほど作成した関数にもEL6731-0010の入力データを加算し、EL6731-0010に出力する動作もできました。

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