今回の記事ではBeckhoff TwinCAT3でTF6280を使用し、Ethernet/IP Adapterを立ち上げ、JTEKTのToyopuc NANOとEthernet/IP通信します。少々細かい設定がありましたが、確認場所さえ押せ込めば難しくありません。
さ、FAを楽しもう。

前書き
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Implementation
それでは実際Toyopuc NANOとTwinCAT3側の設定を細かくStep by Stepで説明します。
Beckhoff Side
最初にBeckhoff 側を構築します。

Add Ethernet/IP Adapter
最初にI/O→Devices→右クリックでAdd New Itemします。

Ethernet/IP→Ethernet/IP Adapter(Slave)を選び→OKで進みます。

ここでEthernet/IP Adapterとして稼働するEthernet Interfaceを設定し、またはCanelで後ほどで設定します。

Configure Ethernet Driver
先ほど追加したEthernet/IP Adapter(Slave)をクリックし→Adapter→Searchをクリックします。

ここでもEthernet/IP Adapterとして稼働するEthernet Interfaceを設定できます。

Done!

Ethernet/IP Setting
次はBeckhoff TwinCAT3をEthernet/IP Adapter(Slave)の内部設定を行います。

IP Setting
最初にSettings Tabを開きます。

8000:0を開き、IPアドレスとNetwork Maskを設定します。このIPアドレスはScanner側の設定に合わせる必要があります。

実際のアプリケーションに合わせて設定しましょう。

Add Assembly
次あhEthernet/IP Adapter(Slave)を右クリック→Append IO Assemblyをクリックします。

Done!新しいAssemblyが追加されました。

Add Inputs
次は先程追加したAssembly Inputs→右クリック→Add New Itemします。

こちらの変数追加画面に変わります。

Muitipleを8に入れて、連続のBYTEデータを8個追加します。

Done!

Add Outputs
次は先程追加したAssembly Outputs→右クリック→Add New Itemします。

Muitipleを8に入れて、連続のBYTEデータを8個追加します。

Done!

Add PLC
次はPLCを追加するためにPLC→Add New Itemします。

Standard PLC PLC Projectをクリックし、Addで追加します。

GVL
Process InputとProcess Outputの変数を定義し、プロジェクトをコンパイルします。
{attribute ‘qualified_only’}
|
|---|
Mapping Input
Assemblyの入力データとMappingするためにInputsをクリックします。

先ほど追加したデータを全部選択し、Change Multi Linkします。

先ほど定義した変数を選択します。

MappingOutput
Assemblyの出力データとMappingするためにInputsをクリックします。

先ほど追加したデータを全部選択し、Change Multi Linkします。

先ほど定義した変数を選択します。

Activate Configuration And Download
最後はプロジェクトをTwinCAT RuntimeにDownloadしてください。

Toyopuc Side
次はToyopuc側を設定します。

I/O Module
今回の記事では使用しませんが、ハードウェア上では2ETモジュールもインストールされていますので、そのモジュールの追加方法を説明します。Parameter→I/O Moduleをクリックします。

自分の2ETはRack0のSlot1にインストールされています。

Link Parameter
次はToyopuc NANO本体のポートの設定を行うため、Parameters→Link Parameterをクリックします。

こちらは通信のLink画面になります。

Link setupをクリックします。

こちらはLinkの詳細設定画面です。

今回の記事ではToyopuc NANO本体のPORTを使用しますので、Rack No.をBuilt-inに設定します。

SlotはL1を選択します。こはPort L1だと示しています。

次はLink Module nameをEthernet/IPに設定します。

Done!最後はOkボタンをクリックし設定を保存します。

これでToyopuc NANOの本体のPORT1にEthernet/IP稼働するように設定しました。

Toyopuc NANOには2Portありますので、P1-2ををクリックし、先ほどと同じ操作で設定します。

Slot No.をL2に設定しましょう。

Done!

今回はEthernet/IPの接続詳細を設定したいので、P1-1を選択した状態でDetailボタンをクリックします。

Orignator Setting
こちらはPCWin2のEthernet/IP設定画面になります。

Own IP
最初に下図の赤枠でToyopuc NANOのIPアドレスを設定します。

今回の記事では192.168.250.100にします。

Ethernet/IP Setting
次はEthernet/IPに接続します。No. 0をダブルクリックします。

こちらはEthernet/IPの基本設定画面です。

Connection Setting
Connection Settingを”Do”に設定します。

Function
今回の記事ではToyopuc NANO側がOriginatorなので、FunctionのDrop-listでOriginatorに設定してください。

次はSetupボタンをクリックします。

こちらはConnectionの詳細設定画面になります。

IP Address of target node
IP address of target nodeは接続先のIPアドレスになります。今回の記事ではBeckhoff TwinCAT3のEthernet/IP Adapterのアドレスになります。

Done!

Instance ID
今回の記事ではInstance番号方式でEthernet/IP接続するので、Communication TypeをInstance IDに設定してください。

Communication time-out
通信のTimeoutはアプリケーションに合わせて設定してください。

Communication Setting
こちらは今回Beckhoff TwinCAT3のEthernet/IP Adapterと接続するために設定したパラメータで、これから一つずつ説明していきます。

Configuration Instance ID
Configuration InstanceはBeckhoff TwinCAT3のConfiguration Instanceに合わせてください。今回の記事の例では144です。

Target-to-origincation information
Target-to-origincation informationのConnection point/TagはBeckhoff TwinCAT3のInput instance(T→O)の番号に合わせてください。今回の記事の例では145です。

Originator-To-Target information
Originator-To-Target informationのConnection point/TagはBeckhoff TwinCAT3のOutput instance(O→T)の番号に合わせてください。今回の記事の例では146です。

Target-to-origincation information Input size
次はTarget-to-origincation informationのデータ交換サイズを設定するため、下図赤枠のInput Settingボタンをクリックします。

こちらはInput areaの設定画面であり、AddressはEthernet/IP経由で取得した入力データの転送先の先頭アドレス、そしてバイト数です。今回の例ではGX00Lから12Bytesだと設定しました。

その12ByteはBeckhoff TwinCAT3側のInput Size(T→O)に合わせた設定です。

Originator-To-Target Output setting
最後はO→Tのデータ交換サイズを設定するため、下図赤枠のOutput Settingボタンをクリックします。

その12ByteはBeckhoff TwinCAT3側のOutput Size(O→T)に合わせた設定です。

Result
Done!それでBeckhoff TwinCAT3のEthernet/IP Adapter←→Toyopuc NANO間の接続を完了しました。

Result
下図のようにBeckhoff側の出力データを、Toyopuc NANO画面が受け取りました。

同じく、Toyopuc NANO側の出力データを、Beckhoff TwinCA3にも受け取りました!
