こちらは新しいシリーズでFATEKのSC シリーズSERVOを使用し様々な記事を展開していきます。第2話はBeckhoff TwinCAT3とEtherCAT経由で接続し制御を行います。
さ、FAを楽しもう。

前書き
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Reference Link
http://soup01.com/ja/category/fatek/sc-series/
Implementation
こちらは今回の構成です。

ESIファイルをダウンロード
下記のLinkから今回記事で使用するFATEK SC3 シリーズのServoのESI FileをDownloadします。
https://www.fatek.com/en/download.php?act=list&cid=175

OTEK側
最初にFatek側から設定します。ProTuneを起動し、Servoと接続します。
Pn20E/Pn210
こちらの2つのパラメータでギア比を設定していきます。

Pn20E/Pn210の隣にあるValue欄をクリックし、パラメータの編集画面が表示されます。

今回はPn20E=131072でPn210を設定します。記事で使用したServoモーターの分解能は17Bitであり、一回転は6000(単位、mm)に設定します。

こちらはSC3シリーズの説明です(どっかの日本メーカーの取説と非常似てると思いますが、ここは一旦忘れていきましょう)。こちらはFatekのSC3 Servoモーターの分解能設定の説明で、今回の記事ではBall Screwタイプ、6mm/0.001mで、Reference Unitは0.001に設定します。

Pn50B
こちらのパラメータはServoモータを逆回転の許可条件を設定します。Defaultでは本体にある入力に割り付けされています。

今回の記事ではIO端子を使用しませんので、すべての設定を8にしてください。

TwinCAT 側
次はTwinCAT側を設定します。
EDSファイルをインストールする
最初に先ほどFatek HPでDownloadしたESI Fileをインストールしていきましょう。

EtherCAT デバイス追加
次はI/O→Add New Itemで新しい通信インタフェースを追加します。

EtherCAT→EtherCAT Masterを選び、Okで進みます。

次はEtherCATマスターとして使用するインタフェースを設定し、OKで進みます。

スキャン
先ほど追加したEtherCATマスターを右クリック→Scanで進めます。

NC-Configurationを選び→Okで進みます。

Done!FatekのServoが追加されました。

Assign Axis



Encパラメータ
次はAxis→Axis1→Encをクリックし、Encoderの設定を行います。

こちらはFatekのSC3 Servoモーターの分解能設定の説明で、今回の記事ではBall Screwタイプ、6mm/0.001mで、Reference Unitは0.001に設定します。

TwinCAT側もそれに合わせて設定しましょう。

プログラム
次はFatekのSC3 Servoを動かすためのプログラムを作成します。こちらはPLC OPEN モーションのFBをします。それはBeckhoff TwinCAT3に標準実装されています。
| PROGRAM MAIN VAR fbMC_Power :MC_Power; fbMC_Home :MC_Home; fbMC_Jog :MC_Jog; fbMC_MoveAbsolute :MC_MoveAbsolute; fbMC_MoveRelative :MC_MoveRelative; fbMC_ReadActualPosition :MC_ReadActualPosition; fbMC_ReadActualVelocity :MC_ReadActualVelocity; fbMC_ReadStatus :MC_ReadStatus; fbMC_Reset :MC_Reset; END_VAR VAR fbMC_MoveAbsolutePosition ,fbMC_MoveAbsoluteVelocity :LREAL; fbMC_MoveRelativePosition ,fbMC_MoveRelativeVelocity :LREAL; xInited :BOOL; xExeAbs,xExeRel,xReset,xPWON :BOOL; END_VAR |
次は各FBのInstanceを呼び出し、Servo ON・位置決めなどの動作を行います。
| IF NOT xInited THEN fbMC_MoveAbsolutePosition:=0.0; fbMC_MoveAbsoluteVelocity:=6.0; fbMC_MoveRelativePosition:=6.0; fbMC_MoveRelativeVelocity:=30.0; xInited:=TRUE; END_IF fbMC_Power( Axis:=GVL.axis[0] ,Enable:=xPWON ,Enable_Negative:=TRUE ,Enable_Positive:=TRUE ); fbMC_Reset( Axis:=GVL.axis[0] ,Execute:=xReset ); fbMC_Home(Axis:=GVL.axis[0]); fbMC_Jog(Axis:=GVL.axis[0]); fbMC_MoveAbsolute( Axis:=GVL.axis[0] ,Execute:=xExeAbs ,Position:=fbMC_MoveAbsolutePosition ,Velocity:=fbMC_MoveAbsoluteVelocity ); IF fbMC_MoveAbsolute.Busy THEN xExeAbs:=FALSE; END_IF fbMC_MoveRelative( Axis:=GVL.axis[0] ,Execute:=xExeRel ,Distance:=fbMC_MoveRelativePosition ,Velocity:=fbMC_MoveRelativeVelocity ); IF fbMC_MoveRelative.Busy THEN xExeRel:=FALSE; END_IF fbMC_ReadActualPosition( Axis:=GVL.axis[0] ,Enable:=TRUE ); fbMC_ReadActualVelocity( Axis:=GVL.axis[0] ,Enable:=TRUE ); fbMC_ReadStatus( Axis:=GVL.axis[0] ,Enable:=TRUE ); |
結果
こちらの動画から動作確認できます。