Beckhoff#TE2000 EtherCAT diagnostics拡張機能を使ってみよう

今回の記事ではTE2000のEtherCAT diagnostics拡張機能を活用し、EtherCATネットワーク内の診断情報を素早く・詳しく確認する画面を構築します。

さ、FAを楽しもう。

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Reference Link

Beckhoff#EL6731-0010 Profibus Slave Terminalを使ってみよう

http://soup01.com/ja/category/beckhoff/twincat3/texxx/

EtherCAT diagnostics?

EtherCAT Diagnostics ExtensionはEtherCATフィールドバスやターゲットシステムのトポロジーを診断するためのインターフェースを提供します。クライアントでの可視化はEtherCAT Diagnostics Controlが行います。

システム要件

TE2000でEtherCAT diagnostics機能を使用するには、こちらは最低のシステム要件になります。

  • TE2000 Version 1.14
  • Windows 10 (32/64-bit)/Windows 11/TwinCAT/BSD

EtherCAT devices

こちらはEtherCAT diagnostics 機能のEtherCATデバイスへの接続設定画面です。

ベンダーが上書き

こちらはベンダー名を上書きできます。各EtherCATデバイスはベンダーIDを持っていて、このIDはEtherCATデバイスのベンダーに割り当てられます 。ベンダ名や略称を変更する場合は、対応するVendor IDで新しいエントリを追加します。 

また、EtherCAT devicesでは指定した名前と略称はデフォルト値を上書きします。個々のデバイスに対してのみ必要であれば、EtherCATデバイス経由で新しいエントリを作成し、個々のデバイスを特別に変更することができます。

更新間隔

こちらは個々の接続の更新間隔を設定できます。

Diagnostics

こちらの診断画面で現在TE2000のEtherCAT diagnostics拡張機能とTwinCAT3 Runtimeの接続状態を確認できます。

Implementation

今回の記事ではTwinCAT3側とTE2000側部分の構築に分かれています。

TwinCAT3 Side

最初にTwinCAT3側にアクセスしたい変数にAttributeを追加します。

GVL

前回の記事で作成したGVLに{ attribute ‘TcHmiSymbol.ShowRecursively’ }というAttributeを追加すれば、TE2000からその変数をアクセスできます。

{attribute ‘qualified_only’}
VAR_GLOBAL
{ attribute ‘TcHmiSymbol.ShowRecursively’ }
OutDataToSiemenS71500 AT %Q*:ARRAY[0..3]OF WORD;
InDataFromSiemensS71500 AT %I*:ARRAY[0..5]OF WORD;
inDpState AT %I*:USINT;
inPDOState AT %I*:BOOL;
END_VAR

TE2000側

次はTE2000側を構築します。

Add new Project

新しいTE2000プロジェクトを追加し、TwinCAT HMI Project Generatorを利用しTemplateプロジェクトを作成します。

Static Applicationを選び>Nextで進みます。

プロジェクトの色合いを設定し、Nextで進みます。

スタートページに今回記事で使用するEtherCAT diagnostics Tempateを使用ししたいので、Contect TempateのDrop-listからEtherCAT diagnosticsを選択し、Finishでプロジェクトを作成しましょう。

少々まってください…

ADS設定

TE2000と接続するTwinCAT Runtime設定も忘れないでください。今回の記事ではローカルのTwinCAT Runtimeと通信するので、特に設定する必要がありません。

マッピング

また、TE2000に表示したい変数をAll Sysmbols>GVL>変数選択>右クリック>Map Symbolで変数をMappingしましょう。

Done!TE2000にMappingされた変数を確認したい場合は”Mapped Symbols”画面からできます。

Diagnostics

Diagnostics Tabで現在TE2000とTwinCAT3の接続状態を確認できます。

新しいコンテンツの追加

今回はTE2000 HMIプロジェクトに新たなページを追加し、Userが2つのページ間に切り替えられるようにします。PagesのFolderに右クリック>Add>New Itemします。

TwinCAT HMI>Contectを選び>Addで新たな画面を追加します。

背景

次は画面の背景色を変更するには、画面の余白部分をクリックし>Properties>Colorsで色を設定しましょう。

ADSステート追加

また、新たな画面ではTwinCAT3状態を目視できるようにします。そのためにTwinCAT>ADS Stateを画面に追加しましょう。

入出力フィールドの追加

そのあとはTwinCAT3のデータ表示または入力する部品を追加しましょう。

詳しい設定方法は昔の記事で紹介しましたので、こちらで参考にしてください。

Straton#Part7_OPC UA Serverを立ち上げ、Beckhoff TE2000と繋げよう
ページ切り替えを追加

画面にページを切り替えるボタンを追加します。

次は追加されたボタンクリック>Properties>Event>Operator>OnPressedのイベントで動作を追加します。

StepsにGeneral>WriteSymobolを追加します。そしてTarget Contectに切り替えページを設定しましょう。

ページ切り替えの変数はTcHmiTopLevelRegion>Common>Target Contentです。

そして画面の切り替え先は自由にも自由設定可能です。

ダウンロード

最後はTE2000プロジェクトをBuildと起動します。

Result

それでは、最初にBeckhoff社のEL6731-0010 PROFIBUS TerminalとS71500 PROFIBUSマスター間が通信エラーなく、またEtherCAT通信も正常したケースを確認しましょう。

入出力確認・ADSステート確認

出力データ(画面の右側の入力Field)で設定値を入力すると、S71500側がこの入力値を加算し、出力としてBeckhoff EL6731-0010にReturnしてることも確認できました(画面の左側の出力Field)。

また、TwinCAT3 RuntimeがRUNモード稼働中してるとき、TwinCAT3のアイコンが緑です。

TwinCAT3を一旦Configure モードに切り替えると、TwinCAT3アイコンが灰色になります。

そしてTwinCAT3がRunモードに切り替わるときはTwinCATアイコンが赤になります。

EtherCAT Diagnostics‐Slaves状態確認

次はEtherCAT Diagnosticsの動作を確認しましょう。Online画面では各Slaveの状態を変更できます。

Ports画面で各EtherCAT Slaveの設定状態・種類などの情報が表示されます。

Localの四角をクリックすると、現在のEtherCATマスターの状態が表示されます。

Slaves Tabで各EtherCAT Slaveの状態を確認できます。

EtherCAT Diagnostics‐マスター状態確認(正常)

もちろん、EtherCAT マスターの状態もこの画面から変更可能です。

EtherCAT Slaveを右クリックすると、Slavesの表示を折りたたみ式に変わります。

EtherCAT Diagnostics‐マスター状態確認(エラー)

次はEtherCAT通信エラーが発生したときの画面を確認しましょう。

各Slaveのエラー情報もこの画面から確認できます。

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