今回の記事ではFX5UとFX5-ENET/IPからClass1 Instanceを立ち上げ、BeckhoffのTwinCAT3 Ethernet/IP Scanner(TF6281)と接続するまでの設定やプログラムを説明します。
さ、FAを楽しもう。

前書き
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Implementation
Mels Side
最初にFX5-ENET/IP側を設定します。

ツールダウンロード
下記のLinkからFX5-ENET/IPのConfiguration ToolsをDownloadしてください。

ツールインストール
そして先程Downloadしたツールをインストールします。

Next>で進みます。

インストール言語を設定し、Nextで進みます。

ツールのインストール場所を設定し、Next>で進みます。

Installで進みます。

しばらく待ちます…

Done!

モジュール構成
次はGXWORKS3を起動し、Module Configuration画面で今回記事で使用するFX5 ENET/IPモジュールを追加しましょう。

Done!

プロジェクトを保存すると、Popup画面が表示され、Setting Changeボタンをクリックしてください。

今回の記事はFX5 ENET/IPのモジュールラベルを使用するので、Add New Module→Use Module LabelをYesに選択し、Okで進みます。

OKで進みます。

Module パラメータ
次はParameters→Module Information→先ほど追加したFX5 ENET/IPをクリックします。

こちらはモジュールの設定画面です。

Own Node Settingsの画面を開き、FX5-ENET/IPのIP Addressを設定しましょう。

ENIP コンフィギュレーション
今度は先ほどインストールしたEIP Configuration ツールを起動します。

Done!

Add New ElementのPopupからFX5-ENET/IPのIPアドレスを設定します。

Done!

コネクションの追加
次はFX5-ENET/IPに新しいClass1 Instanceを追加します。

Connectionの設定画面が表示されます。
基本的にはNumber(接続番号)、そしてT->OとO->TのInstance番号とByteサイズを設定するだけです。

結果
Done!

ダウンロード
最後は設定をモジュールにDownloadします。右上にあるOnline Commandをクリックします。


そして下記のICONをクリックしプロジェクトをDowloadしあす。

Downloadボタンをクリックし進みましょう。

VAR
今回プログラムで使用するFB Instanceを定義します。

そしてGlobal ラベルにWORDの配列を宣言します。

プログラム
今回の記事ではラダーでプログラムを作成します。

こちらのネットワークはモジュールの状態をCHECKし、OKならEthernet/ip接続をスタートします。

こちらのネットワークはEthernet/ip接続番号1の入力データを取得します。

こちらのネットワークはEthernet/ip接続番号1の出力データを書き込みます。

Build All
Convert→Build Allでプロジェクトをコンパイルします。

ダウンロード
最後はプロジェクトをDownloadし、CPUリセットしましょう。それで三菱側はOKです。
TwinCAT Side
次はTwinCAT3側です。

EDSファイル
先ほど三菱HPからDownloadしたSetup FileにEDS FILEがあります。


そのEDS FILEをTwinCAT→3.1→Config→Io→EthernetIPに格納します。

EIPスキャナの追加
次はEthernet/IP Scannerを追加するために、I/O→Devices→Add New Itemします。

Ethernet/IP→EtherNet/IP Scannerを選び、OKで進みます。

Ethernet/IP Scannerとして使用したいネットワークAdapterを設定します。

イーサネット・アダプター
または、Adapter Tab→Searchをクリックします。

実際にTwinCAT3 Runtimeを実行しているPCのAdapterを設定しましょう。

Done!

次はSettings Tabを開きます。IP AddressとNetwork Maskをネットワーク構成に合わせて設定しましょう。

Done!

FX5 Ethernet/IP接続の追加
次はFX5のEtherNet/IP 接続を追加するためにDevice1→右クリック→Add New Itemします。

先ほどEDS FILEを格納したので、FX5-ENET/IPを選び→OKで進みます。

Done!

IPを変更する
次はFX5-ENET/IPの接続IPアドレスを変更するために、右クリック→Change IP Addressをします。


IOコネクションの追加
次はEtherNet/IP 接続のタイプを設定するために、右クリック→Append IO Connectionします。

今回はNo001 Exclusive Ownerに設定します。

Yesで進みます。

Done!それで新しいConenctionが追加されました。

InputにはDefault256 Bytesに設定されています。

OutputにもDefault256 Bytesに設定されています。

最後はTwinCAT3側の接続設定も詳しく見ていきましょう。

PLCの追加
次はPLCを追加するために、PLC→Add New Itemします。

Standard PLC Projectを選び→Addで進みます。

GVL
GVLを作成し、256Bytesの入出力Process データを定義します。
{attribute ‘qualified_only’}
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メインプログラム
そして検証用のプログラムを作成します。
- グローバルの入出力配列とローカル配列を丸ごとコピーして同期しています。
-
1本目のMEMCPY:
- GVL.arrDataInputsFromFX5(FX5から来た入力データ)→ inWords(ローカル作業用)へコピー。
- → スキャン中はinWordsを読んで処理するための取り組み。
-
2本目のMEMCPY:
- outWords(ローカルで作った出力データ)→ GVL.arrDataOutputsFromFX5(FX5へ出す領域)へコピー。
PROGRAM MAIN
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Build
Build→Build Solutionでプロジェクトをコンパイルします。

Mapping Input
Inputs変数をプロジェクトの変数とMappingします。

FX5-ENET/IPの接続にあるすべての変数を選び→Change Multi Linkします。

先ほど宣言したWORD配列を設定します。

Mapping Output
Outputs変数をプロジェクトの変数とMappingします。

FX5-ENET/IPの接続にあるすべての変数を選び→Change Multi Linkします。

先ほど宣言したWORD配列を設定します。

結果
下図のように、三菱FX5-ENET/IPが出力したデータがTwinCAT3側が受け取りました

また、TwinCAT3が送信したデータがFX5-ENET/IPにも受け取りました。
