今回の記事ではTwinCAT3で保持タイマーの作成方法を紹介します。実はSNSからの問い合わせで、TwinCAT3に保持タイマーの作り方を教えてくれませんかってきたので、その問い合わせに答えました。

さ、FAを楽しもう。

前書き

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Implementation1

最初にPOUに直接保持タイマーのプログラムを実装します。

VAR

PROGRAM MAIN
VAR
xIN : BOOL;
tPT : TIME;
xPAUSE : BOOL;
　　 xQ : BOOL;
tET : TIME;

fbPause : R_TRIG;
tTimePaused : TIME;
fbton : TON;
END_VAR

Program

こちらはプログラムです。

//Reset the PT
IF NOT xIN THEN
tTimePaused := T#0s;
END_IF

//Detect the Pause
fbPause(CLK := xPAUSE);

//Keep the Time
IF fbPause.Q THEN
tTimePaused := tTimePaused + fbton.ET;
END_IF
//FB
fbton(
IN := xIN AND NOT xPAUSE
,PT := tPT – tTimePaused
,Q=>xQ
);
//Output
xQ := fbton.Q;
tET := tTimePaused + fbton.ET;

xINがFALSEの場合は、タイマーの記録時間を0sにリセットします。

R_TRIG FBを使用し、xPAUSEの立ち上げ信号を検知します。

xPAUSEの立ち上げを検知した場合、現在TONの経過時間(ET)をBuffer変数（tTimePaused）にプラスします。

こちらはTON FBを呼び出しします。注意するおはPT(つまりTONの設定時間)は

tPT(設定時間)マイナスxPAUSEが立ち上げたときの時間差になります。

Result

保持タイマーが正しく動いたかを確認するために、YT Scope プロジェクトを追加し、適切なAxis Groupを定義します。

下図のように、xIN(オレンジ線)がONしてるときに、TONの中にあるeETが時間経過とともに加算しています。そしてxPAUSE(緑線)がTRUEしてるとき、eETの時間加算が止まっています。最後、eET=PTのときにxQ(青い)がONになります。

Implementation2

次はImplementation1で作成したプログラムをFB化します。

fbRetainTimer

TwinCATプロジェクトにFBを追加します。

VAR

こちらは先程作成したプログラムの変数をIN/OUT/内部変数に定義します。

xIn:入力、TRUE=タイマー有効
tPT:入力、タイマーの設定時間
xPause:入力、タイマーの一時停止
xQ:出力、TRUE＝タイマーON中

FUNCTION_BLOCK fbRetainTimer
VAR_INPUT
xIn :BOOL;
tPT :TIME;
xPause :BOOL;

END_VAR
VAR_OUTPUT
xQ :BOOL;
END_VAR
VAR
tET:TIME;
fbPause : R_TRIG;
tTimePaused : TIME;
fbton : TON;
END_VAR

Program

こちらはプログラムです。Implementation1と同じの動作です。

MAIN

最後はMAINプログラムでInstnaceを宣言し、動作確認します。

VAR
fbtimers:ARRAY[0..3]OF fbRetainTimer;
END_VAR

//

fbtimers[0](tPT:=T#30S);
fbtimers[1](tPT:=T#4S);
fbtimers[2](tPT:=T#5S);
fbtimers[3](tPT:=T#6S);