Inovance# Easy PLC第4話:MCブロックでOMRONサーボを制御してみよう

本記事では、MC_MoveAbsolute や MC_Jog などのモーションFBを使い、OMRON製R88DサーボをEasy PLCから直接制御する方法を解説します。Jog、相対/絶対位置制御、トリガ構成まで、実践で使えるラダー構成を紹介します。

さ、FAを楽しもう!

Reference Link

http://soup01.com/ja/category/inovance/

前書き

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Implementation

Showing Comment

ラダー部品のコメントを表示するには、View Commentをクリックしてください。

Done!

M、X、Yなどのデバイスのコメントを編集するにはGlobal Variable>Element Tableをクリックします。

Element Tableが表示され、テーブルを右にScrollしてください。

一番右にはNote欄があり、これはコメントになります。

Network Comment

ラダー間にネットワークを追加したい場合は、ラダーを右クリック>Insert Networkします。

Network のコメント設定画面が表示され>OKで確定します。

Done!

Edit Device Comment 

また、AutoShopは三菱などのツールと同じく、デバイス入力した後にコメントを入力できます。ラダー回路に部品を入力するときに下図のICONをクリックしてください。

コメント入力できるようになります。

Variable Table for Axis

AutoShopでサーボ軸を制御するには軸を追加するときの番号が必要です。下図で変数テーブルにiAxis0・iAxis1・iAxis2を定義し、それぞれの初期値を0,1,2に定義しました。

この整数データ・タイプの軸番号は、Motion Control>各軸部品から調べることができます。

Basic Settingに”Axis number”と欄があり、これは軸番号になります。

Add Motion Function Block

Motion関連のFBを使用するにはTools>MC axis Controlからプログラムに追加できます。

FBの追加方法としては追加したい位置を選択し>該当するMotion MC BlockをクリックすればOKです。

Done!

Variables using in this Tutorial

こちらは今回記事で定義した変数です。

MAIN Program

Net6

MC_ReadActualVelocityとMC_ReadActualPositionを使って現在位置と速度を読み取るプログラムです。この2つのFBを使えば、モーションの現在状態(位置・速度)をリアルタイムで監視可能になります。

Net7

これはMC_ReadStatusファンクションブロック(FB)を使って、軸のステータスを一括で読み取るプログラムです。

Net8

MC_ReadStatus の出力結果を使って「軸が正常な状態かどうか」を判定しているラダー回路です。

  • Axis_0.bPowerState(サーボON)
  • bStandStill(現在静止中)
  • bValid(読み取りが有効)
  • bEnabled(有効化されている)
  • bErrorStop OFF(エラー停止していない)
  • bError OFF(エラー中でない)

すべての条件が満たされたとき、 M0をONにします。

Net9

このラダーは、先ほどの 「軸が正常(Axis is Normal)」状態の判定結果を使って、Jog動作の有効化フラグを出力しています。

  • Axis is Normal(M0)= TRUE(前段Net 153で生成した「軸が正常」状態)
  • Enable_JOG(M4 )= Jog制御用のフラグとして出力

Net10

このラダーは、MC_Jogファンクションブロックを使った、Jog運転の実行回路です。これでサーボON → 状態チェック → Jog許可 → 実行まで、流れが完成です。

Net11

これは相対移動(MoveRelative)の有効化フラグのための回路です。

  • M3:軸が正常な状態(前段で判定済み)
  • R_TRIG1.Q:ボタンの立ち上がり検出
  • M5:MoveRelative動作の実行許可フラグ

Net12

MoveRelativeを実行します。Y0はランプ出力で、Busyのときは点滅、Doneのときは点灯。そして絶対位置決めのコマンドがきたとき、Y0をOFFにします。

Net13

これは絶対移動(MC_MoveAbsolute)の有効化フラグのための回路です。

  • M3:軸が正常な状態(前段で判定済み)
  • F_TRIG1.Q:別のボタンの立ちさがり検出
  • M6:MC_MoveAbsolute動作の実行許可フラグ

Net14

MC_MoveAbsoluteを実行します。Y1はランプ出力で、Busyのときは点滅、Doneのときは点灯。そして相対位置決めのコマンドがきたとき、Y1をOFFにします。

ダウンロード

最後はPLC>DownloadでプロジェクトをCPUにDownloadしましょう。

OKで進みます。

OKでCPUをストップします。

そしてDownloadが終わったら、またOKをクリックしCPUをRUNにしましょう。

結果

実機の動作確認は、YouTube上にアップロードしたデモ動画にてご確認いただけます。

INOVANCE.Easy Series PLC Basic MC Motion Control Blocks with OMRON Servo Motor

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