こちらは新しいシリーズで、OTeeというVirtual PLCを使用し様々な記事を展開します。第6話ではOTee Platform上でEthernet/IP Scannerを立ち上げ、TwinCAT3のTF6280 Ethernet/IP Adapter(Slave)と接続します。OTeeのRuntimeでEthernet/IP Scannerを試したいけど手元にEthernet/IP Adapterがない?TwinCAT3はあなたの選択肢です!
また、これからはOTeeのVirtual PLCをBerghofのMC-Pi Proにインストールし、記事を展開します。
さ、FAを楽しもう。

前書き
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Implementation
これでは実際にプロジェクトを作成していきましょう。
TwinCAT3 Side
最初にTwinCAT3側を構築します。

Add Ethernet/IP Adapter
最初にI/O→Devices→右クリックでAdd New Itemします。

Ethernet/IP→Ethernet/IP Adapter(Slave)を選び→OKで進みます。

ここでEthernet/IP Adapterとして稼働するEthernet Interfaceを設定し、またはCanelで後ほどで設定します。

Configure Ethernet Driver
先ほど追加したEthernet/IP Adapter(Slave)をクリックし→Adapter→Searchをクリックします。

ここでもEthernet/IP Adapterとして稼働するEthernet Interfaceを設定できます。

Done!

Ethernet/IP Setting
次はBeckhoff TwinCAT3をEthernet/IP Adapter(Slave)の内部設定を行います。

IP Setting
最初にSettings Tabを開きます。

8000:0を開き、IPアドレスとNetwork Maskを設定します。このIPアドレスはScanner側の設定に合わせる必要があります。

実際のアプリケーションに合わせて設定しましょう。

Add Assembly
次あhEthernet/IP Adapter(Slave)を右クリック→Append IO Assemblyをクリックします。

Done!新しいAssemblyが追加されました。

Add Inputs
次は先程追加したAssembly Inputs→右クリック→Add New Itemします。

こちらの変数追加画面に変わります。

Muitipleを8に入れて、連続のBYTEデータを8個追加します。

Done!

Add Outputs
次は先程追加したAssembly Outputs→右クリック→Add New Itemします。

Muitipleを8に入れて、連続のBYTEデータを8個追加します。

Done!

Check Ethernet/IP Configuration
最後はBeckhoff側のEthernet/IP設定を確認しましょう。


Add PLC
次はPLCを追加するためにPLC→Add New Itemします。

Standard PLC PLC Projectをクリックし、Addで追加します。

GVL
Process InputとProcess Outputの変数を定義し、プロジェクトをコンパイルします。
{attribute ‘qualified_only’}
|
---|
Mapping Input
Assemblyの入力データとMappingするためにInputsをクリックします。

先ほど追加したデータを全部選択し、Change Multi Linkします。

先ほど定義した変数を選択します。

MappingOutput
Assemblyの出力データとMappingするためにInputsをクリックします。

先ほど追加したデータを全部選択し、Change Multi Linkします。

先ほど定義した変数を選択します。

Activate Configuration And Download
最後はプロジェクトをTwinCAT RuntimeにDownloadしてください。
OTee Side
次はOTee RuntimeがインストールされたBerghof MC-PI側を構築します。

Add Ethernet/IP Config
OTeeのPlatformにアクセスし、プロジェクトの中にある+ボタンをクリックします。

新しい項目の追加画面が表示されます。

Drop-listからDriver Configを設定します。

次はDriverのDrop-listからEtherNet/IPを設定します。

Saveで設定を適用します。

Add Client
次はEthernet/IPの設定画面を開く、”Add a Client”で新しいEthernet/IP Adapterを追加します。

Done!これで新しいEthernet/IP Adapterが追加されました。

Remote IP Address
Remote IP Address欄でBeckhoff TwinCAT3側で設定したIPアドレスに合わせてください。

Done!されました

Client Name
次はClient Nameでわかりやすく設定しましょう。

Add Connection
今度は”Add Connection”で先程設定したAdapterに新規接続を追加します。

こちらは接続の設定画面になります。

Configure Exchange Bytes
各接続に占有するByte数を変更するには、設定画面の下にあるAdd Symbolをクリックします。

下図のようにBYTE数が増えました。

例えば下図のように12Bytesを増やしました。

このように、Data sizeにも12に自動的に反映されました。

O→T側も同じ操作です。

O→TのData Sizeも12 Bytesになりました。

Configuration
それでは実際にTwinCAT3のEthernet/IP Adapterに合わせて設定します。

OTeeとTwinCAT3の設定画面を両方見ながら設定していきましょう。

Configure Instance
Config InstanceはTwinCAT3側のConfiguration Instanceに合わせて設定します。今回の例では128になります。

Configure Data Size
Config InstanceのデータサイズはTwinCAT3側のConfiguration Instanceデータサイズに合わせて設定します。今回の例では0になります。

T→O Instance
T→O Instance番号はTwinCAT3側のInput Instance(T→O)に合わせて設定します。今回の例では129になります。

T→O Size
T→O InstanceデータサイズはTwinCAT3側のInput Instance(T→O)サイズに合わせて設定します。今回の例では12になります。

T→O Priority
T→O Priorityは必ずScheduled Priorityに設定してください。

TwinCAT3側はこのPriorityにしか対応してないので、他のPriorityに設定するとInvalid T→O Priorityにエラーが発生します。

O→T Instance
O→T Instance番号はTwinCAT3側のInput Instance(O→T)に合わせて設定します。今回の例では130になります。

O→T Size
O→T InstanceデータサイズはTwinCAT3側のInput Instance(O→T)サイズに合わせて設定します。今回の例では12になります。

O→T Priority
O→T Priorityは必ずScheduled Priorityに設定してください。

TwinCAT3側はこのPriorityにしか対応してないので、他のPriorityに設定するとInvalid O→T Priorityにエラーが発生します。

Header
O→Tには下図のRun Program Headerの設定を入れてください。

Download
最後はプロジェクトをOTee RuntimeにDownloadしてください。
Result
Done!TwinCAT3とOTee Runtime間はCIP I/Oメッセージ通信できました。
